Mirai Investment Laboratory

MT4を使用した自動売買投資システムの研究所

EAの勝率って、、高勝率EAの危険性

コロナウイルスの猛威が止まりません。政府は中国、韓国からの入国規制を行いました。そして、国内でもイベント等の自粛要請も続いていますね。入国規制やイベント等の自粛要請の是非は置いておき、人の動きを止めると言う事は消費が止まり、経済的に大きな影響を及ぼす事になります。私の会社でも、出張などが禁止となったり、外での宴会などの自粛があったり。

経済的な影響と言えば、日経平均が1万8千円台に低下、ドル円も一時101円台となりました。

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その後一気に106円近くまでまで上げました。この動きは2日でこれだけ動いた事になります。当然、この動きに多くのEAが翻弄されました。今回はドル安→ドル高となりましたので、GBPUSDやEURUSDの動きにも多大なる影響が有ったと思います。

 

今日はEAの勝率と確率について書きたいと思います。ここでまず前提ですが、私の主観も少し入りますし、私はデータ分析や統計系を職務としていますが、数学者では有りませんので、学問的に誤っているかもしれません。そこは前提として書かせて頂きますね。
良く聞く話ですが、高勝率のEAを稼動する際に、限界までLotを上げた結果、含み損に耐えられず口座が破綻してしまう話をよく聞きます。確かに高勝率のEAは負けにくい側面がありますので一見理にかなっていますが、それでは負けにくい前提とは何かと言うと、これまでの相場をトレースした仮想投資結果、独自に決めたロジックパターンで勝った割合が非常に高いという事です。この状況から勝率=勝つ確率と誤解されている方が多少なりとも存在しています。そのため高勝率のEAで大きなLotを設定し一定期間を運用すれば、大きな収益が得られるように思いますし、私もそれで大きく収益を上げた経験があります。そのため全く否定も出来ません。事実、私のEAであるPoundMasterは昨年7月~9月の約60トレードを全勝で切り抜けました。カーブフィット(過剰最適化)だと揶揄される部分もありますが、これは過去の相場をトレースしても同じことが何度もありました。ただ、それはあくまで一定期間の勝った回数や割合であって勝つ確率ではないのです。それでは確率とは何でしょうか。FXにおける確率は常に1/2です。確率とは発生する全事象があらかじめ想定されていなくてはなりません。しかも確率は常に一定で普遍です。簡単な確率としてコイン投げがあります。コインの表裏が出る確率はそれぞれ1/2ですよね。何回投げても1回の確率は1/2です。全く変わりません。相場も同じです。1回のTickで動くのは上か下。つまりは1/2となります。そうするとじゃあ勝率は何かと言うと、一定期間の取引の結果勝った割合が勝率となります。そのため、期間によって割合は異なります。ここで勝つ確率=勝率の前提が崩れます。

EAは相場によって勝ち負けの影響を大きく受けます。それもそのはず、実際の値動きのデータによって、売り買い、決済の注文を行い利益を上げていきます。そうすると、ロジックで想定した値動きとなる場合も有りますが、想定していない値動きも発生します。相場とはランダムウオークと言って一見、のべつ幕なしに動いているようでも、実は値ごろ感や思惑によって一定のサイクルを描きます。高くなったら売って、安くなったら買う。安くなると考えるので売って、安くなってから買う。このサイクルがトレンドです。そうです、相場とは参加者の値ごろ感の軌跡とも言えます。という事は、高勝率と言われているEAだろうと、想定ロジック外の値動きが続くと簡単に連敗して使い物にならなくなるという事ですよね。ただし相場には普遍性や回帰性も有りますので、使い続ける事でまた勝つようになって来ます。なので高勝率に期待したマーチンゲール投資は危険です。システムトレードは、出来れば余力の有る状態で、長期運用が適しています。

 

今週は残念ながら私のEAはことごとく負けました。おたまじゃくしカップに出しているBritain kingなどは、現在-23%と本当に苦戦してます。しかし悲観はしていません。資金が続く限り普遍的なエントリーは続きます。今後も同様に、、そしてForeverです。短期的な視野でEAなどのシステムトレードに挑めば(ロジックパターンにもよりますが)必ず破綻する。これがシステムトレードだと思います。現在の相場の波乱はしばらく続きそうですが、3月を乗り切って行きたいと思います。

 

ここまで読んで頂き、ありがとうございました。